「はこだて旅するパスポート&フリーパス」で道南旅〜森町の濁川温泉 新栄館
「はこだて旅するパスポート&フリーパス」を使って、
函館から一番遠い観光スポット、
森町の濁川(にごりかわ)温泉郷へ行く。
「はこだて旅するパスポート&フリーパス」は
函館市、北斗市、七飯町、鹿部町、森町の5つの市町内
JR、バス、市電が2日間乗り放題のお得なチケット。
各駅停車の普通列車に乗って、
函館から森へ向かう。
特急だと約40分の鉄路を、ローカル列車は1時間半かけて、
各駅に止まっては進む。
それぞれの無人駅に、郷愁を感じながらの鉄道旅。
*
[9:46] 森駅
列車はやがてJR森駅に到着。
正面に駒ヶ岳、
左手には噴火湾が見える風光明媚な場所にある駅だ。
駅前にある柴田商店。
阿部商店のいかめしが売られている。
あの赤いベンチに座り、ゆっくりと食べてみたい。
森町をぶらぶら。
「森桟橋跡」を発見。
明治6年、桟橋が完成し、
函館、室蘭間の定期航路が運行していたことから、
当時の森村は旅人などの往来で大変賑わったと、
案内板が伝えている。
歴史ある港町。
だから、森の飲食店はレベルが高いのだ
ということを地元の人から聞いた。
*
[12:00] ランチ
ランチは旨くて安い寿司という選択肢もあったが、
今回は、町民が愛するソウルフード、
通称「つゆだく焼きそば」を食するために、
「そば処 太田屋」さんに入る。
深皿に乗ってやってきた「焼きそば」!。
スープにひたっていて、野菜や魚貝の具材が乗る
不思議な一皿。
一見するに、ラーメンのようでもある。
具材の下にひたひたの麺がある。
スープ焼きそば、と表現したいが、
今風に言えば、”つゆだく焼きそば”なのだろう。
トンコツス—プとそばのダシをベースに、
細い中華麺を入れ、ウスターソースとコショウで
仕上げるそうだ。
不思議なマッチ感。
広くはない店内では、その半分の客が
この焼きそばらしからぬ焼きそばを注文していた。
店は昭和13年創業。
80年近くに渡って愛される森の味。
一気に食べてしまった。
*
[13:42] バスで濁川地区へ
再びJR森駅に歩いて戻り、
函館バスで今回の旅の目的地、
濁川温泉郷へと向う。
濁川行きのバスは、13時台と17時台の
2本しかないので注意しよう。
バスにゆられること、30分。
周囲約2キロというカルデラ地形の盆地平野、
濁川地区に到着。
田んぼと、ビニールハウスが目に付く田園地帯。
周りを山々に囲まれた、のどかな集落だ。
ここには、6つの温泉施設が点在している。
バス停から800m歩いた盆地のきわに、
今回の宿を発見。
*
[14:15] 宿へ到着
濁川温泉 新栄館。
明治33年開業。
向って左側が明治の建物。
右側が大正に入って増築した部分。
加えて、さらに右に昭和に増築した「新館」がある。
旧館の入り口。
しぶーい、湯治宿の趣き。
ギシギシと音がなり、床が少々傾いている廊下を進み、
階段を下りたところに脱衣所がある。
浴舎は創業当時のまま。
115年という時間が、褐色の世界をつくりだす。
湯船は3つあり、
床に掘られた溝をお湯が流れて、
温度が変わるように工夫がなされている。
もちろん、源泉掛け流し。
時が止まったような湯治場の趣き。
湯浴みの後、濁川地区を探索しに行く。
ここには道内で唯一、地熱発電があるところ。
北電の蒸気生産施設からモクモクと蒸気が上がる。
その熱をハウス栽培に利用している。
ここの盆地は、かつての噴火跡。
田んぼの真ん中に、
写真のようにボコボコと湯が沸く設備がある。
火口跡のカルデラ盆地ということで、
200本ほどの泉源があるという。
荘厳な、濁川神社。
開拓100年の碑があるが、
1807年に道が開かれ、
湯治場として賑わいを見せたそうだ。
ところで、盆地中央を流れ、
地名にもなっている「濁川(にごりかわ)」は、
実際は、にごっておらず、
写真のように「清流」だった。
宿に戻ってくつろぎタイム。
*
[18:00] 夕食
夕食は、地元・森のいかめしに、濁川に伝わる伝統食・鳥鍋。
畑で採れた野菜が調理される。
宿主は3代目の中田良吉さん。84歳。
昨年奥様を亡くし、息子さんが料理を担当する。
良吉さんは夕食をセットし終わった後、
缶ビール1本を携え、食卓を盛り上げていた。
途中、素泊まりでいいので、というお客さんの電話に、
「あれっ、名前なんだったっけ・・・」と笑う良吉さん。
ゆるくて、やさしい時間が流れる宿で
明治の旅人に思いを馳せた。
(2日目につづく)
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